ポスターの印刷とインクについて

ポスター制作においては平版(オフセット)印刷が主流ですが、ものによってはスクリーン印刷も使われます。そのときのインクは、プロセス4色インクだけとは限りません。微妙な色再現が必要ならプロセス4色の色に特色を加えたり、金や銀インクや、光沢を抑えたマット墨インク、蛍光インクなどの特殊インクを使うこともあります。定期的に発行される雑誌などでは、版式がすでに決められ、通常は4色のプロセスインクだけを使います。しかも数ページ分をまとめて1枚の紙に印刷するため、1ページだけ版式を変えたり特色インクを使用するのはほとんど不可能です。これに対して、たいていのポスターは1枚の紙の、しかも片面だけに印刷することから注目度を高めたり、ポスター自体の完成度を高めるために特色インクや特殊インクを使う、といったことも、自由に行える環境にあるといえます。

ただし、長時間、屋外に掲示するポスターを印刷するときには注意が必要です。というのも、通常のインクは長い紫外線を当てると黄、紅の順に退色するからです。広い面積で色ベタを使うようなときには、耐光インクの使用も検討したほうがよいです。特に蛍光インクには耐光性がなく、数日のうちに色が抜けてしまうこともあるため、屋外のポスターには不向きになってしまいます。どうしても使いたい時には、プロセスインクを混ぜるとか、下にプロセスインクを敷く(これを下刷りといいます)などの方法があります。また、下刷りは、金・銀インクの発色効果を高めるにも不可欠になってきます。下刷りする色や濃度については、業者に相談して決めるのが賢明ですが、一般的には金の下には黄30%、銀の下には藍30%または墨を同程度敷くケースが多いです。さらに金インクや銀インクはこすれに弱く、傷がつきやすいことから、印刷した部分を保護するために工程の中でニスを塗ります。これを『OPニス』といいます。OPニスをかければその分、金や銀の発色効果が低下するのはやむを得ません。マット墨インクも傷がつきやすいためニスを塗るのが一般的ですが、このときはマットニスを使います。

なお、マット墨インクは印刷適性があまりよくないことから、単独では使わずに、プロセスインクと混ぜて使うことが多いです。プロセスインクのほかに、特色や特殊インクを使う時には、版式や刷り順も考える必要があります。金・銀・蛍光などの特殊インクは、プロセスインクよりも不透明で遮蔽性が高いからです。そこで特殊インクに文字などを重ね合わせる時は、文字をのせるか、抜き合わせにするかによって、先刷りか後刷りかが決まります。

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